医者を辞めたい理由とは?退職の流れや辞めるときの注意点・転職を成功させるポイントを解説

医者は地位が確立され、高収入のイメージがある一方で、休みが不定期だったり長時間勤務が多かったりと、つらいイメージを持つ方も多い職業です。普段から激務である医者ですが、昨今の新型コロナウイルス感染症の流行により、一層厳しい職場環境になっているといえます。

激務がつらい、他の病院に転職したい、病院の待遇が悪いので早く辞めたい、などと考える医者も多い現状があります。

本来、医者の仕事は患者の心身の状態を診ることですが、忙しい職場のなかで医者自身が体調を崩してしまっては、満足のいくパフォーマンスを発揮できなくなってしまいます。

とはいえ、医者を辞めたいと思っても、周囲から反対されたり転職後の人生に不安を抱いたりしてなかなか踏み切れないものです。

本記事では、医者を辞めたいと思う理由や退職時の注意点など、退職後に失敗しないためのポイントを紹介します。

退職前に確認しておくべきことや転職成功に向けたポイントが理解できるため、医者を辞めるべきか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

医者を辞めたいと考える主な理由

日々激務に追われ、人間の生死に関わる職業である医者は、通常の職業とは異なる種類の責任が重く、辞めたいと思う方も多いでしょう。

医者が仕事を辞めたいと考える理由として、主に次の7つがあります。

職場の人間関係がしんどい

医者は同僚の医者や看護師はもちろん、多様な患者などさまざまな人と関わります。そのため、人間関係が上手くいかずに辞めたいと考える医者も少なくありません。

たとえ医者の仕事に充実感があっても、家族以上に長い時間を共にする可能性のある職場の人間関係が悪ければ、ストレスを抱え心身に異常をきたしても不思議はありません。

医者のなかには、医局と呼ばれる人事管理をする部署と人間関係が悪く苦労する方もみられます。医者は医局から2~3年程度で人事異動を言い渡されますが、医局に逆らうと左遷されたり解雇を言い渡されたりする場合もあるようです。

人事異動のたびに退職を余儀なくされる異動になる可能性があるため、人間関係に疲弊する方が多いといえます。

コロナ対応に疲れた

通常時から激務な医者の仕事は、昨今の新型コロナウイルス感染症への対応から激しさを増し、医療現場のひっ迫した体制により職を去りたいと考える方も多いでしょう。医者のなかには、新型コロナウイルス感染症が流行して以来、感染対策やワクチン接種への対応に追われ、満足に休みが取れていない方もいます。

新型コロナウイルス感染症への対応は、自らが感染するリスクや自身の家族が罹患するリスクも高く、心身ともに多大なストレスを抱えます。

とくに新型コロナウイルス感染症の患者を受け入れている病院では辞職者も多く、深刻な人手不足問題が発生しています。

責任が重く精神的ストレスが多い

医者の仕事は人間の生死に関わるため、想像もできない程の精神的なストレスがかかります。

自身のミスが直接的に人命に関わる仕事のため、少しのミスも許されず多大な責任やプレッシャーを感じるでしょう。

とくに大規模病院と呼ばれる有名な病院になるほど、周囲からの期待も大きくなり、精神的ストレスから医者を辞めたいと考える方も少なくありません。

残業や休日出勤が多くプライベートの時間が取れない

医者の仕事は緊急性の高い業務が多く、終わりの時刻が予想できない程の残業や、休日の急な呼び出しへの対応が当たり前のように発生します。

高い志を持って医者になったとしても、慢性的に残業や休日出勤が多く、プライベートな時間がなければ忙しい環境から抜け出したいと考えてしまいます。

医者として日々努力していても、自身の時間をはじめ家族や友人と一緒に過ごせる時間がなければ疲弊してしまうでしょう。

医者としての特殊な環境から、プライベート時間の確保が難しいことも医者を辞めたくなる原因となります。

人手不足で休みが取りづらい

医者の仕事は仕事量が非常に多いばかりでなく、人手不足に悩まされる職種でもあり、自身の体調に不調があったとしても休みを取りづらい環境といえます。

医者がいなければ患者は困るため、責任感や使命感から自身が体調不良であっても出勤し続ける方は少なくありません。人命に関わる医者の仕事は、睡眠や余暇がとれない状況や精神的ストレスが多く、医者自身が心身に異常をきたす場合もあります。

休みを取りたくても取れない人手不足の状況が原因となり、医者を続けることが難しくなるケースもあります。

激務に追われ体力的につらい

医者の仕事は、残業時間が過労死ラインといわれる基準を超えるほどの激務です。

厚生労働省が2021年に発表した「医師の働き方改革について」によれば、1か月の残業時間が過労死ラインを超えている医者は約40%と、半数近くの医者が該当するとされています。

1か月の残業時間の過労死ラインは80時間以上です。

業務量が突出して多い医者は、自身の趣味や自己研鑽の時間がないばかりでなく、睡眠時間も短くなります。自身の体力の限界から、医者を辞めたいと考える方も多いでしょう。

医者に向いていないと感じる

実際に医者を辞めた方の口コミを見ると、医者としての仕事が向いていなかったと考えて辞めた方が圧倒的に多いです。

仕事の向き不向きは誰にでもあり、とくに特殊な仕事である医者の仕事では、それがはっきりと現れるものです。

思い描いていた医者の姿と自身とのギャップが退職を決意する原因にもなります。

医者を辞めたいと思ったときに取るべき行動

さまざまな原因により医者を辞めたいと思っていても、退職を決める前に取るべき行動があります。医者の仕事は誰もが就ける仕事ではなく、また、医者の仕事にはメリットも存在します。

医者を辞めたいと思ったときには、次のことを検討してから決断しましょう。

科目を変更する

自身が担当している科目を変更し、医者としての活路を見出す方は少なくありません。現在の科目に不満を感じたり、苦痛を感じたりするようであれば、担当科目の変更を検討してみましょう。

医者を辞めたい理由として、次の事項が当てはまっている方は科目変更の申し出をおすすめします。

  • 今の診療科があっていない
  • 新たな科目の知識や経験が欲しい
  • 激務で心身が限界
  • 家庭事情から勤務スタイルがあわない
  • 開業を視野に異なる科目を勉強したい

科目を変える際には自身にあった診療科の選択や、知識を身につけることが大切です。科目を変更しても医者を辞めたい気持ちに変化がなかった場合でも、ほかの病院に転職できる可能性が広がります。

なぜ辞めたいのか理由を明確にする

医者を辞めたいと考えたときには、なぜ辞めたいと思ったのかを転職を決断する前に整理して見つめなおすことが必要です。自身のみで見つめなおしても、思い詰めているときにはネガティブな思考が働きやすいため、可能な限り友人や信頼できる同僚などに相談してみることをおすすめします。

すべての思いを吐き出してみると、医者を辞めたい理由は案外些細なことだったと感じることも少なくありません。気持ちを整理して問題の解決に繋がることがあれば、退職したとしても転職先を選ぶ際のポイントとして役に立ちます。

どちらを選択するにしても辞めたい理由を整理することは重要なため、退職前に必ずおこないましょう。

辞めて後悔しないか考える

医者の仕事は、なりたいと思っても誰もがなれるものではありません。医者の仕事を選択したときには、強い志を持って職に就いた方がほとんどでしょう。

医者を辞めたいと考えていても、一過性の気持ちに任せて決断しようとしていないか、一時のつらい気持ちから逃げ出したくなっていないかなど気持ちを確認し、後悔しない選択が大切です。

実際に、医者を辞めてしまった後にデメリットを感じている方もいます。たとえば、上司や同僚などと繋がりが薄くなることや、医者の間でのコネクションが弱まることです。退職後に医者の経験を活かした仕事に就く場合には、医者を辞めることの影響を考えておきましょう。

医者は激務がつきまとう仕事ですが、メリットも多くあります。後悔しないようにさまざまな視点から検討しましょう。

辞めた後のビジョンを考える

どの職業でも同様のことがいえますが、辞めたいと考え出すと辞めることを前提とした感情が先行してしまい、辞めた後のビジョンが見えなくなるものです。医者は高収入の仕事であるため、退職すれば収入が少なくなる可能性が高いといえます。

退職後に自身がやりたいことは明確になっているのか、収入を得るビジョンはあるのかなどを明確に考えることが必要です。医者を辞める選択を自身や家族にとって最良の選択にするためには、辞めた後のビジョンを見据えておくことが大切です。

半年以上の生活費を貯金しておく

医者を辞める選択をした場合、生活設計を考えておくことが大切です。たとえば、総務省が発表している家計調査によれば、単身世帯の場合、住居費を含めた1か月あたりの平均支出は約17万円とされています。

退職後に転職活動をする場合には、転職活動に半年ほどかかることを想定し、最低でも100万円以上は貯蓄しておく必要があります。

そのため、医者を辞める際には転職先を見つけた後に退職する方が安心です。

医者を続けるメリット

毎日を激務のなかで過ごしていると、医者として働くメリットがわからなくなってしまうものです。しかし医者の仕事には、大きなメリットが多数あります。

医者を辞めたいと考えている方は、次の4つのメリットについて今一度確認してみましょう。

給料が高い

医者の給料は非常に高く、生涯収入は約3.7億円~9億円とされています。生涯収入の高さは日本の職業の中でも、上位に位置しています。国税庁が発表している平均給料によれば、一般的なサラリーマンの生涯収入は約1.4億円とされているため、医者はその約3倍の収入を得ていることになります。

そのため、退職してサラリーマンに転職した場合には、給料が3分の1近くまで減少する可能性があることを理解しておきましょう。

やりがいがある

医者の仕事は人間の生死に直結し、非常に責任の重いものです。同時に、苦労して治療を続けた患者が回復していく姿や、病から立ち直った患者から感謝されることも多い仕事です。医者を志した際は、苦しむ人を助けたいという気持ちを持って、この仕事を選択した方が大半でしょう。

医者を辞めたいと考えていても、苦しむ人を助けたり感謝の言葉に励まされたりすることで、あらためてやりがいを感じ、医者を続ける方も少なくありません。

責任のある仕事だからこそ、大きなやりがいも感じられる仕事といえます。

成長できる

医者の仕事は日々の診察がメインではありますが、ほかの仕事では得られない多くの知識を得られる職業です。常に新しい知識が求められるため、知識力や技術力を限界なく高められる仕事といえます。

たとえば、講演会や学会などに参加したり、知らない病気や症例を研究したりすることで自身の成長にも繋がります。

ほかの仕事への転職を考えている方は、自身の成長に繋がる仕事である医者と転職先を比較し、どちらがより自身に向いているか検討してみることも大切です。

社会的信用が高い

医者を辞めたいと考えている方は、必死の思いで取得した医師免許や公務員の肩書きを失うことを念頭に入れましょう。医者や公務員の社会的信用は非常に高く、住宅ローンや借入などの際には優遇されることが多い職業だからです。

医者を辞めると、社会的な信用は低下してしまいます。医者を辞めることと、医者であるメリットを比較して決断することをおすすめします。

【円満】医者を退職するまでの流れ

医者の退職を決断した際には、できるだけ円満に退職することをおすすめします。

医療業界は狭く、悪い噂は早く広まるものです。そのため、日々の業務に追われながらも円満に退職する流れについて紹介します。

医者の退職を決断した方はぜひ参考にしてみてください。

1:退職時期を決める

医者を円満に退職するうえで、まず気を付けなければならない点は、繁忙期を避けた退職時期の決定です。繁忙期退職は、同僚の医者や看護師に負担がかかってしまい、迷惑をかけてしまうリスクがあります。

悪い印象を残さないために、同僚の負担も考慮し、前もって退職時期を決定しましょう。

2:上司に退職の意思を伝える

退職の意思が定まった際は、退職予定日の3か月以上前に直属の上司や院長に退職の意思を伝えましょう。退職については、法律では2週間前までに報告すれば問題ありませんが、医者の場合は新しい医者を雇わなければいけません

そのため、早めに伝えることで円満な退職に繋がります。報告が遅れてしまうと、同僚や上司に迷惑をかけてしまうため、悪い印象を残したり、冷遇されたりする可能性もあります。

また、上司に退職の意思を伝える際には、退職理由は前向きなものを伝えることで円満な退職につながります。

たとえば新しい目標に向かって進みたい、ほかの病院で自身の知識や技術を高めたいなど、退職理由がポジティブなものであれば、上司に納得され、気持ちよく次のステップに進みやすくなるものです。

ネガティブな要素を退職理由として伝えると、遺恨が残ってしまう可能性があるため注意しましょう。

3:退職届を提出する

退職の意思を上司に伝えた後には退職届の提出が必要です。

様式の定めは病院によって異なる場合があるため、病院の人事担当者に確認しましょう。

4:業務の引き継ぎをする

円満に医者を退職するためには、業務の引き継ぎを確実におこないましょう。同僚の医者や看護師、さらには担当している患者に迷惑をかけることがないように、徹底しておこなう必要があります。

業務の引き継ぎ漏れがないように、引き継ぎ内容をリストアップすることをおすすめします。

退職に至るさまざまな事情があったにせよ、しっかりと引き継ぎをおこない、悪い印象を残さないようにしましょう。

5:備品を返却する

医者を退職する際には、備品の返却を確実におこないましょう。備品は借り物であることから、返却漏れがあった場合には、病院から返却のために呼び出されたり、郵送手続きをしなければいけなかったりと後々面倒な作業が必要になってしまいます。

退職予定日までに返却する主な備品は、次のとおりです。

  • 白衣
  • 名刺や名札
  • 社員証やIDカード
  • ロッカーや病院などの鍵類
  • 仕事用通信機器
  • 健康保険被保険者証

備品であるものは、すぐに返却できるようにあらかじめ準備することをおすすめします。

6:退職関係書類を受け取る

医者を退職する際には退職関係の書類を必ず受け取りましょう。退職関係書類として受け取る主なものは次のとおりです。

  • 雇用保険被保険者証
    雇用保険加入者である証明書類となり、転職先に提出が必要
  • 源泉徴収票
    年末調整のため、転職先に提出が必要。フリーランスであっても確定申告に必要
  • 年金手帳
    勤務先が保管している場合には受け取りが必要
  • 退職証明書
    開業医やフリーランスになる場合は、国保や国民年金に加入する際に提出が必要
  • 離職票
    転職先が決まっている場合は不要。離職する場合は失業保険の受給に必要。退職後約10日〜14日で自宅へ郵送される

今後の生活や転職活動に必要になるため、病院側が忘れているようであれば確認するようにしましょう。

7:退職の挨拶まわりをする

退職日までに、必ずお世話になった同僚や上司などに挨拶まわりをしましょう。病院に残る人にとっては、知らない間に退職すると悲しい気持ちになります。後々の関係性を考慮しても、これまでの感謝を伝えながらの挨拶まわりをおすすめします。

また、退職日には、日持ちがするお菓子を気持ちとして添えておくと、遺恨なく退職できるでしょう。

医者を辞めた後のキャリアは?

医者を辞めることを決断しても、退職後のキャリアの選択に悩む方は少なくありません。

選択肢は大きくわけると、医者としてほかの方法で働くか民間に転職するのかの選択になりますが、より選択肢を増やすため、医者を辞めた後に考えられる5つのキャリアを紹介します。

勤務形態を変更する

医者を辞めた後に選択するキャリアの1つとして、勤務形態を変更する方法があります。

医者の勤務形態には3つの種類があり、それぞれ勤務時間や仕事内容が異なるため、これまでの勤務時間や仕事内容に不満がある方にはおすすめの選択肢です。

医者の勤務形態は次のとおりです。

勤務形態 特徴 勤務時間 給料、福利厚生
常勤

1か所で勤務

正社員に該当

安定して勤務できる

仕事は激務

人事異動の可能性がある

研究日がある

解雇のリスクは低い

フルタイムで週4日

当直がある
安定した給料

年収は約800万円~約1,500万円

福利厚生が充実

ボーナスあり

有休が充実
非常勤 勤務時間、曜日を自由に設定可能

アルバイトに該当する働き方

解雇のリスクは高い
決まった曜日と時間で勤務

勤務時間の急な削減がある

当直がない
年収は約1,900万円~約2,880万円

給料は比較的安定

福利厚生の恩恵はない
スポット勤務 日雇いに該当する働き方

健康診断やヘルプなど人手不足の際の仕事が多い

働きたいときにのみ働ける

閑散期には仕事が少ない
時間や場所、曜日を自由に設定可能

勤務場所や時間が毎回変動

当直がない
日給が設定されている場合が多い

収入は勤務日数や科目などで変動

給料に安定性がない

福利厚生の恩恵はない

いずれもメリットやデメリットがあります。勤務形態の違いを確認し、自身にあったスタイルを選択しましょう。

参照元:厚生労働省「医師の働き方改革について」第23回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告」

別の病院、医療機関で働く

医者としての仕事が嫌になって辞めたわけでなければ、別の病院や医療機関で働くことも選択の1つとなります。別の病院で働く際には、今までと同じ科目を希望するのか、別の科目を希望するのかを決めたうえで転職活動しましょう。

医者のなかにも、別の専門分野を勉強して資格を取得したいと考えているケースは多いものです。

専門科目や未経験科目の医者を受け入れている病院であるのかを事前に確認することも、医者の転職を成功させる大切なポイントになります。

別の医療職に転職する

医者を退職しても、別の医療職として医者の経験を活かした職業に転職も可能です。具体的な転職の例は次のとおりです。

  • 研究医
  • 産業医
  • 健康スポーツ医

これまでの仕事で、人間関係や職場環境に悩みを持っていた場合、医者の資格を活かしながら働き続けることを希望している方にはおすすめの選択方法といえます。キャリアを活かせるため、即戦力として給料を大幅に減少させずに転職可能な場合もあります。

民間企業に転職する

医者としての仕事自体が嫌になったことが退職理由の場合には、心身の健康を保つためにも思い切って民間企業への転職も選択肢となります。しかし、民間への転職を希望する場合にも、医者としてのキャリアを活かさない転職はもったいないため、キャリアを活かせる仕事がおすすめです。

医者としてのキャリアを活かせる民間の転職先の例は、次のとおりです。

  • 介護老人保健施設の勤務医
  • 産業医
  • 医療関係の企業
  • 製薬会社
  • 研究所

医者が民間企業に転職する際には、キャリアを積極的にアピールする職務経歴書を作成しておきましょう。

フリーランス、個人事業主になる

医者を退職した理由が、職場の上下関係であったり、人間関係であったりする場合には、フリーランスや個人事業主として働く方法もあります。

しかし、具体的に挑戦したい仕事がない場合、自らの起業はリスクが高いため、高い意識や覚悟がなければおすすめとはいえません。

独立する場合には、入念に準備をしてリスクを回避しましょう。

医者を辞めるときの注意点

医者を辞める際には、退職を引き止められることもあります。また、手続きに沿って退職をおこなわなければ、後々トラブルにもなり得るため、余裕を持って退職意思を伝えることが大切です。

ここからは医者を辞めるときの注意点について紹介します。スムーズに退職できるよう、確認しておきましょう。

退職の1か月前には退職意思を伝える

法律では、退職日の2週間前までに退職の意思表示をする、とされています。しかし医者の世界では、次の医者を雇ったり退職手続きが難航したりするケースもあります。

トラブルを防止するためにも、遅くとも退職予定日の1か月前までには直属の上司に退職意思を伝えましょう。

有給休暇を消化する

退職の意思表示をした後は、退職までの間に有給休暇を利用できるため、積極的に消化し転職活動や退職後に向けた準備に活かしましょう。

ただし、職場からの呼び出しや引き継ぎのための出勤を断ると後々になって遺恨が残る可能性もあるので、できるだけ応じるようにしましょう。

退職を認めてもらえない場合は退職代行サービスを利用する

退職の意思を上司に示しても、なかには認めてもらえないケースがあります。認めてもらうために何度も話し合いを重ねることもありますが、職場が嫌になり心身に異常をきたしている場合には、退職のためのやりとり自体、非常に苦痛を伴うものです。

何度説明しても理解を示してもらえなかったり、退職できず苦労をしたりする場合には、退職手続きを代理でおこなう退職代行サービスの利用を検討してみることをおすすめします。

医者の転職を成功させるポイント

ここでは医者を辞め転職を決意した場合に、転職を成功させるためのポイントを紹介します。

できる限り退職前に確認し、実践することをおすすめします。

自身の強みや市場価値を分析する

医者からの転職を成功させるためには、自身の強みや市場価値を知ることが大切です。これまでのキャリアをすべて洗い出し、強みの分析をおこないましょう。

さらに、転職の目的や希望条件を照らしあわせたうえで転職活動をおこなうと、自身の市場価値を知ることができます。

自身を分析することでより希望の条件にあう転職先が見つかりやすくなるほか、転職してからのミスマッチのリスクも少なくできます。

在職中から転職活動をはじめる

自身の強みや転職の条件などが明確になったら、転職活動を早めにスタートさせましょう。退職から転職までの期間が空いてしまうと、気持ちや金銭的に余裕がなくなり、転職先を妥協して決めてしまいがちです。

転職希望日の約6か月~1年前から活動を開始し、方向性が見えてきた段階で応募や面接をおこなうことをおすすめします

転職の時期は4月や10月が多いとされ、募集も同じ時期に多くなる傾向にあるため、余裕を持って活動しましょう。

転職エージェントを活用する

近年は転職エージェントを利用した転職が増えています。実際に転職した方のうち、約3割が転職エージェントからの紹介で転職しています。

医者の転職に特化した転職エージェントも存在するため、活用してみることをおすすめします

複数の転職サイトに登録する

医者からの転職を成功するためには、複数の転職サイトへの登録が大切です。医者の転職に特化した転職サイトは多数存在するため、各サイトの情報を比較し理想の職場を見つけましょう。

登録やサービスの利用は無料の場合が多いので、後悔しないためにも積極的に活用しましょう。

医者におすすめの転職エージェント

医者の転職には、医者向けの転職エージェントへの登録がおすすめです。いずれのサイトも登録無料のため、積極的に活用しましょう。

ここからは、医者が転職する際にとくにおすすめの転職エージェントを6つ紹介します。

M3キャリアエージェント

M3キャリアエージェントは、エムスリーキャリア株式会社が運営している大手医療従事者向けサイトです。

登録している医師会員は30万人以上と多くの医者が利用しています。

特徴 常勤の求人数が多い

コンサルタントの質がよい

年収や勤務体系の交渉力に優れている

非公開求人も充実

内科の求人数が多い
対応エリア 全国
求人数 20,000件以上
対応職種 常勤、定期非常勤
相談ツール 電話、メール、対面

民間医局

民間医局は独占求人や非公開求人が多く、はじめての転職や家庭環境に応じた求人が豊富な転職サイトです。

特徴 東証1部上場会社グループ運営

独占求人や非公開求人が多い

若手医師や女性医師の転職事例が豊富

年間成約件数が約71,000件と実績豊富

広域な転職活動に強い

全国17拠点
対応エリア 全国
求人数 17,000件以上
対応職種 常勤、定期非常勤、スポット
相談ツール 電話、メール、対面

リクルートドクターズキャリア

リクルートドクターズキャリアは、人材業界大手として有名なリクルートが運営している医師向けの転職サイトです。

スピーディーな転職ができると評判なことから、できるだけ早く転職したいという方におすすめのサイトといえます。

特徴 医師転職30年以上の実績

医師転職に特化したコンサルタント

選りすぐりの非公開求人が充実

各種交渉をキャリアアドバイザーに依頼可能

スピーディーな転職が可能
対応エリア 全国
求人数 16,000件以上
対応職種 常勤、定期非常勤、スポット
相談ツール 電話、メール、対面

マイナビDOCTOR

マイナビDOCTORは人材会社大手の株式会社マイナビが運営する医師に特化した転職支援サイトです。

転職に向けた相談から開始できることから、転職に悩む方も利用をおすすめします。

特徴 専門のキャリアアドバイザーが多く在籍

独自の求人を多数保有

取引医療機関が20,000件以上と多数

厚生労働省から認可を受けた高い安全生

一般企業への転職も数多く掲載
対応エリア 全国
求人数 34,000件以上
対応職種 常勤、定期非常勤、スポット
相談ツール 電話、メール、対面

e-doctor

e-doctorは、医師専門の転職サイトとして、素早い対応と厳選した求人から転職サポートをしています。

特徴 業界随一のスピード対応

厳選した求人のみを掲載

求人の約7割が非公開求人

入職までサポート
対応エリア 全国、海外
求人数 15,000件以上
対応職種 常勤、非常勤、スポット勤務
相談ツール 電話、メール、対面

医師転職ドットコム

医師転職ドットコムは業界最大クラスの求人数を誇り、非公開求人も充実した医者向けの転職サイトです。

利用者の満足度が高く、年収アップを狙いたい方にはおすすめのサイトです。

特徴

転職医師の満足度が約93.4%

質の高い転職エージェントのサポート

厚生労働大臣認可のサービス

非公開求人が多数

対応エリア 全国
求人数 39,000件以上
対応職種 常勤、非常勤、スポット勤務
相談ツール 電話、メール、対面

参照元:医師転職ドットコム

まとめ

本記事では医者を辞めたい理由や注意点、おすすめサイトなどについて紹介しました。医者は世間的には高収入で社会的地位が高い仕事のイメージがありますが、一方で医者全体の約6割が辞職を考えたことがあるといわれるほど、辞めたいと考える人が多い職業です。

医者を辞めたいと考える理由の多くは、激務であったり人間関係であったりとさまざまですが、医者の仕事には通常では計り知れないほどの重責があり、そのプレッシャーに耐えられなくなることもあります。

勤務形態の変更や科目の変更などで医者として働き続ける選択肢のほか、民間への転職もあわせて紹介しましたが、転職を成功させるためには日々の激務のなかで転職活動をおこなわなければなりません。

転職すると決めた際には医者向けの転職サイトを上手に利用し、転職活動を成功させましょう。

※本記事の情報は2023年1月時点のものです。
※本記事は公開・修正時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。キャンペーンを含む最新情報は各サービスの公式サイトよりご確認ください。
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<参考>
M3キャリアエージェント
民間医局
リクルートドクターズキャリア