パートは勤務日数や勤務時間を調整しやすいため、子育てと両立している方も多いのではないでしょうか。
しかし、仕事と子育てで手一杯になったり、精神的なストレスを受けたりなど、さまざまで原因でパートの仕事を辞めたいと考える方も少なくありません。
パートを辞めたいと思っていても、円満に退職するにはどうすればよいのだろうと悩むこともあるでしょう。
本記事ではパートの仕事を辞めたいときの対処法を紹介します。よくあるパートの退職理由や、円満に退職するコツ、仕事を辞めるときの注意点も紹介するため、ぜひチェックしてください。
パートの仕事を辞めたい方は多い

パートの仕事を辞めたいと考えている方は多く、短期間で辞めることも珍しいことではありません。なかには1か月も経たないうちにパートを退職する方もいます。
そのため、たとえ短期間であってもパートの仕事を辞めること自体は非常識ではないといえるでしょう。
ただ、すぐに結論を出そうとせず、まずは試用期間が終わるまで働いてみましょう。仕事を続けることが本当に困難なのかを確かめ、どうしても厳しければ退職を考えてみてください。
1か月以内でパートを辞める方は多い
バイトルマガジンボムスがパート、アルバイト、会社員の男女100名にアンケートを実施したところ、採用から1か月以内にパートやアルバイトを辞めた経験があると回答した方は51%でした。
アンケート結果からもわかるとおり、短期間でパートやアルバイトの仕事を辞めた方は多くいます。
実際働いてみると説明された勤務時間より労働時間が長かったり、陰湿ないじめを受けて精神的な苦痛を感じたりしたことが原因で、仕事を始めてすぐに辞めた方もいるようです。
1か月ほどの短期間では退職できないのではないか、と不安を抱く方もいるでしょう。
しかし、労働基準法により、期間の定めのない従業員は退職の意志を伝えて2週間で退職できると決められています。そのため、1か月であっても退職は可能です。
参照: https://www.baitoru.com/contents/serial/0074.html
https://tokyo-danjo.jp/parttimejob/
3か月目で退職するかの判断がベスト
パートの仕事は1か月以内でも退職できますが、目安として多くの会社が試用期間と定めている3か月目まで働き、退職するかどうか判断するとよいでしょう。
試用期間が終了し、雇用主と労働者がお互いに雇用契約を更新する意思がなければ契約を終了できます。そのため、3か月を目途に継続をするか考えてみてください。
また、最初のうちは職場に馴染めなくても、3か月も経てば仕事や人間関係に慣れて働きやすくなるケースもあります。焦って決断せず、試用期間まで仕事を続けてみましょう。
パート先の合意があれば辞められる
パートの仕事を辞めたいときには、パート先の責任者に退職の意向を伝えましょう。責任者との合意さえあれば、パートを辞められます。
パートの場合は退職する意向を申し出ていれば2週間後には退職ができ、その期間は出社義務がありません。
ただし雇用期間が決められている場合は雇用主が申し出を断ることもできるため、雇用契約書をチェックしておきましょう。
パートの仕事を辞めた方の主な退職理由

パートの仕事を辞めた方にはさまざまな退職理由があります。具体的には次の6つです。
- 仕事と家庭の両立が難しい
- 子育て
- 親の介護
- 職場の環境や人間関係がよくない
- 制度や待遇に不満がある
- 仕事内容に不満がある
パートで働いていた方はどのようなことがきっかけで退職を決めたのか、一つずつ順番に解説します。
仕事と家庭の両立が難しい
パートの仕事を辞めた方の中には、仕事と家庭の両立が難しくなり退職をした方が少なくありません。
子育てや親の介護、家事に加え、外に働きに出るとなると体力的につらく、時間を確保するのも厳しいため、退職を余儀なくされる方もいます。
子育て
子育てをしている方の場合は、子どものことを優先するためにパートの仕事を辞めるケースが多くあります。
たとえば、子どもが熱を出すたびにシフトを変更してもらうことが心苦しい、子どもに留守番をさせることが不安、などが理由です。
フルタイムで働くよりも勤務時間が短いとはいえ、実際に仕事を始めてみると子育てと仕事の両立が大変だと感じる方もいます。
親の介護
親が認知症になったり病気を患ったりして介護が必要になり、仕事との両立が難しくなった方もいます。
通院をするときに付き添いをしたり家事を手伝ったりしていると、仕事を続けることが困難になるため、退職をせざるを得ません。
また、親の体調が急に悪くなったり、目を離せない状態になったりして働きに出ることが厳しくなるケースもあります。
職場の環境や人間関係がよくない
職場の環境や人間関係がよくない場合、居心地が悪く精神的なストレスを抱えてしまい、退職に追い込まれる方が多いようです。
残業が当たり前になっていたり、職場内に派閥があり、いざこざに巻き込まれたりして、職場に行くことが億劫になったパターンもあります。
労働環境が悪いと気持ちよく働けないため、別の職場に移りたいと考えるようになるのかもしれません。
制度や待遇に不満がある
パート先の制度や待遇に不満があり、退職を決めた方もいます。
1年間は安い賃金で働かされる、正社員と仕事内容は同じなのに時給が低く手当も受けられないなど、労働条件に納得できず仕事を辞めたパターンです。
仕事を頑張っているにもかかわらず努力が報われないため、条件のよいパート先へ転職を考えた方もいるようです。
仕事内容に不満がある
ノルマが課せられ精神的に追い込まれている、仕事量が多く疲弊しているなど、仕事の内容に不満を感じているパターンもあります。
あまりに難易度が高い仕事を押し付けられる場合や、作業が単純過ぎて物足りないケースもあるようです。
パートの面接時に仕事内容について説明を受けたけれど、実際働いてみると想像していた仕事と違ったと感じる方もいます。
パートの仕事を辞めるメリットやデメリット

パートの仕事を辞めたいと思ったときは、退職して得られるメリットと退職後のデメリットについて考え、仕事を辞めるべきか判断してみましょう。
パートの仕事を辞めるメリットとデメリットについて、例を挙げながら詳しく解説します。
パートの仕事を辞めるメリット
パートの仕事を辞めるメリットは、主に次の2つです。
- ストレスがなくなり体調不良が改善される
- 心に余裕ができて周りとの関係がよくなる
まずは心身共に健康でいることが大切なため、限界を感じている場合は無理をせず職場から離れましょう。
ストレスがなくなり体調不良が改善される
出勤する時間になると吐き気や頭痛などが起き、仕事によるストレスで体調を崩している場合は退職すれば症状が改善されるでしょう。
体がSOSを出しているサインを受け止め、重大な症状を引き起こす前に行動してください。
ストレスを溜め込むと体を壊し、仕事を続けられなくなります。体調面に異常が見られたら退職を視野に入れましょう。
心に余裕ができて周りとの関係がよくなる
仕事が上手くいかないと、就業後や休みの日でも仕事のことを考えてしまい、気が休まらなくなります。そうすると家族にイライラした感情をぶつけてしまうなど、家庭の空気が悪くなるケースもあります。
家計を助けるために仕事を始めたはずが、家庭内の空気が悪くなっては本末転倒です。パートの仕事を辞めて自身の気持ちを整理しましょう。
パートの仕事を辞めるデメリット
パートの仕事を辞めればストレスが解放される一方、次のデメリットがあります。
- 収入がなくなり家計が厳しくなる
- 次の仕事が見つからず不安になる
パートを辞めることにより、新たなストレスや悩みが生じる可能性もあります。退職をするかどうか判断する際は、デメリットについても考えてみてください。
収入がなくなり家計が厳しくなる
パートの収入で何とか生活費をまかなっている場合は、収入が途絶えると生活をしていくことが厳しくなります。
そのため、退職をする際はパートの収入がなくなっても生活する余裕があることを確認してから決断しましょう。
退職する際はその場の勢いで判断せず、次の就職先が決まってからパート先に退職の意向を伝えることをおすすめします。
そうすれば新しい職場ですぐに働き出せるため、収入が途絶えず家計が安定するでしょう。
次の仕事が見つからず不安になる
後先考えずにパートの仕事を辞めると、早急に次の仕事を探さなくてはいけません。退職後に新しいパートを探してみても、なかなか仕事が見つからない場合もあります。
仕事が決まらない間は収入がないため、家計が苦しくなりだんだんと焦ってしまいます。
仕事が見つからない焦りから手当たり次第に応募し、採用してもらったパート先が前の職場より労働条件が悪いのであれば、転職をした意味がありません。
そのため、働きながら次の就職先を探したり、退職までに貯金を用意しておいたり、計画性を持って行動しましょう。
パートの仕事を円満に辞めるためのよい退職理由例

パートの仕事を円満に辞めるためには、相手に悪い印象を与えない退職理由を考える必要があります。
仕事内容に不満がある場合や職場環境の悪さが原因であったとしても、心象が悪くならないよう無難な退職理由を選びましょう。
退職理由の一例は次のとおりです。
- 家庭の事情がある
- 体調を崩している
- 転勤、引っ越しの予定がある
- 希望職に転職したい
一つずつ詳しく解説します。
家庭の事情
パートの仕事を辞める際は、子育てが大変、親の介護に専念したいなど、家庭の事情で退職をすると伝えてみましょう。
たとえば、想像していた以上に子育てとの両立が難しかった、親の介護が必要になり状況が変わったなどの理由が挙げられます。
やむを得ない理由で退職するのであれば、パート先の方に受け入れてもらいやすくなります。家庭の事情は職場が介入しにくいため、深く詮索されずに退職できるでしょう。
体調不良
体調を崩したためしばらく休養したい、腰痛が悪化して立ち仕事を続けることが難しくなったなど、体調の悪化を理由にするケースです。
パート先の方も体調が悪い方を無理矢理働かせるわけにはいかないため、退職を引き止めにくくなります。
ただし、体調不良を理由に退職をするのは、本当に体調が悪いときのみにしましょう。
もし近くのパート先で再就職をする場合、元の職場の方に見られる可能性が高いからです。元気に働いている様子を見て、体調が悪いのは嘘だったのかと印象が悪くなります。
転勤や引っ越し
家族の転勤や引っ越しにより、通うことが難しくなったケースもあります。転勤やマイホームの購入などで引っ越すことになり、自宅から職場が遠くなると退職せざるを得ません。
引っ越しをする予定がある方は、退職のよいタイミングとなります。
しかし、嘘をついて同じ場所に住み続けた場合はパート先の方に見つかる可能性があるため、ほかの理由を選びましょう。
希望職に転職したい
自身がやりたい仕事がある場合は、新しい仕事に挑戦したい意思を伝えましょう。前向きな理由であるため、パート先の方に応援してもらいつつ退職が認められる可能性が高いです。
また、すでに次の就職先が決まっている場合は退職を引き留めにくくもなります。希望する職種がある方は働きながら就職活動をし、内定をもらってからパート先に退職の意向を伝えましょう。
円満にパートの仕事を辞めるまでの流れ

円満にパートの仕事を辞めたい場合は、早めに退職の意向をパート先に伝え、仕事の引き継ぎをきちんと済ませてから退職しましょう。
円満に仕事を辞めるまでの具体的な流れは、次のとおりです。
- 辞める1か月前までに上司に伝える
- パート先の同僚に伝える
- 引き継ぎ業務を実施する
- パート退職後の手続きについて確認する
辞めるからといって職場の方に対してぞんざいな態度をとらず、最後まで誠意を持って接するようにしましょう。
1:辞める1か月前までに上司に伝える
パートの仕事を辞める際は、1か月前までに職場の上司に伝えておきましょう。退職者が出るとシフトを調整したり、新しく人を雇ったりしなければならないからです。
なるべく迷惑をかけないよう、余裕をもって伝えてください。
退職を申し出る際に伝えるべき内容は次のとおりです。
- 退職する理由
- 退職を決意するまでの経緯
- 退職時期
- これまでお世話になったお礼
退職をする理由や退職に至るまでの経緯を丁寧に話し、退職を希望する時期を伝えましょう。
また、今まで仕事を教わったことに関して感謝の気持ちを伝え、円満に退職できるよう気を配ることも重要です。
2:パート先の同僚に伝える
無事に退職する日が決まったら、パート先の同僚にいつ退職するのかを伝えてください。自身が辞めることで迷惑をかける可能性があることも伝え、今までお世話になった感謝の気持ちもあわせて伝えましょう。
もうすぐ辞める身であっても人間関係を大切にし、清々しい気持ちで仕事を終えられるよう最後まで仕事に打ち込んでください。
3:引き継ぎ業務を実施する
仕事を辞める日が近づいてきたら、自身の仕事を担当してもらう方に引き継ぎ業務をおこないます。
引き継ぎをする際は、自身の仕事内容をわかりやすくまとめておくと、業務を引き継いだ方が把握しやすくなります。
引き継ぎ業務の内容やスケジュールは上司と確認をし、進捗状況を報告するようにしましょう。退職日までに引き継ぎ業務が終了するよう、調整しながら進めてみてください。
4:パート退職後の手続きについて確認する
退職日までにパート退職後の手続きについて確認しておきましょう。退職後には源泉徴収票が発行されます。源泉徴収票には1年間で給与がいくら支給され、税金がいくら徴収されたかが記されています。
年内に転職をする際は源泉徴収票を提出しなければならないため、1か月以内に届かない場合はパート先に連絡をするようにしてください。
また、貸与品の返却方法についても聞いておき、当日返せる状態にしておきましょう。
パートの仕事を辞めるときの注意点

パートの仕事を辞めるときは、あいまいにせず退職をする意思をはっきりと伝え、理由もきちんと説明しましょう。
また、最後まで気持ちよく仕事ができるよう、職場の方への配慮を忘れず行動してください。
はっきり退職の意思を伝える
パートの仕事を辞める場合は、退職の意思をはっきりと伝えましょう。今は忙しそうだから別の日にしよう、と先延ばしにするといつまでも伝えられず、ずるずると仕事を続けることになります。
また、あいまいな伝え方をすると、人手が足りないからもう少し待ってほしいと言われて退職を断られるケースもあります。
そのため、いつまでに退職したいのかをはっきりと上司に伝えましょう。
嘘の退職理由は使わない
退職理由を伝える際は、嘘の理由を使用しないようにしましょう。
健康面で問題がないにもかかわらず体調が悪いと言ったり、親が入院したなどと事実とは異なることを伝えたりすると、嘘が発覚したときに印象が悪くなります。
心配した相手は裏切られた気持ちになり、信頼がなくなってしまいます。決して嘘はつかないようにしましょう。
仕事や職場への不満には触れない
たとえ仕事や職場に不満があったとしても、最後まで上司には伝えないようにしましょう。辞めるから関係ないと不満を漏らすのは、上司にとっては気分がよいものではありません。
職場でわだかまりができてしまい、退職日まで居心地が悪くなります。円満に退職するためにも、仕事に関する不満は口外しないようにしましょう。
パートの仕事の退職に関する質問

パートの仕事を辞めたいと思ったときに、みなさんが気になったことについてまとめて回答します。
- 退職届は必要?
- パートを即日辞めることはできる?
- パートの辞めどきのサインは?
パートの仕事を辞めようかと迷っている方は参考にしてみてください。
退職届は必要?
パートやアルバイトの場合は、一般的に退職届の提出は不要です。ただ、パート先から提出を要求されるケースもあります。
なお、口頭で伝えてもはぐらかされたり、聞き流されたりする場合は、こちらから退職届を提出し、書面で退職の意思を伝えると効果的です。
パートを即日辞めることはできる?
自身にやむを得ない事情がある場合や、会社側の非が認められる場合は、即日パートを辞めることもできます。
ただ、法律上の退職規定では2週間前までに退職を申し出ることとされるため、よほどの理由でない限り退職まで一定の期間を設けた方が無難です。
パートの辞めどきのサインは?
パートの辞めどきのサインは次のとおりです。
- ストレスによる体の不調を感じている
- シフトを急に増やされたり減らされたりする
- 人間関係が上手く行かず苦痛を感じている
- 家事や子育てがおろそかになっている
- 新しい仕事に挑戦したい
仕事によるストレスで体調を崩している場合は、無理をせず退職の選択をしましょう。また、シフトが急に変更されると予定が立てづらく、収入も不安定になるため、転職を検討してみてください。
職場の雰囲気が悪くて精神的につらい場合や、家事や子育てがままならない場合は、一度職場を離れて生活を見直しましょう。
なお、新しい仕事に興味を持った場合も退職をするよいタイミングです。
まとめ
記事で紹介したパートの仕事を円満に辞めるためのよい退職理由例と、円満にパートの仕事を辞めるまでの流れを簡単にまとめます。
【パートの仕事を円満に辞めるためのよい退職理由例】
- 家庭の事情がある
- 体調を崩している
- 転職、引っ越し
- 希望職に転職したい
【円満にパートの仕事を辞めるまでの流れ】
- 辞める1か月前までに上司に伝える
- パート先の同僚に伝える
- 引き継ぎ業務を実施する
- パート退職後の手続きについて確認する
パートの仕事を辞める際は1か月前までに退職の意向を上司に伝え、退職理由や経緯を丁寧に説明しましょう。
退職日までは責任を持って仕事をし、なるべく職場の方に迷惑をかけず退職するよう心掛けてください。
上司や同僚に今までのお礼を伝え、円満に退職できるよう配慮しましょう。
※本記事の情報は2022年12月時点のものです。
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